[一般公開記事] ドレーダー三種の神器:相場観・価格・時間(抜粋)

2021年4月25日チャート分析, トレード技法

トレードの成否を分けるのはエントリの精度です。高精度のエントリは勝率増・収益増に直結するからです。高精度のエントリを行う秘訣は、ホットスポット(確実な儲けをもたらす安値または高値)を見つけることです。ホットスポットは相場の「時間」に注目することで見つけやすくなります。

トレードは「価格」の差を利益に変える行為ですが、この差を生むのは「時間」です。「価格」ばかりを意識して「時間」を味方につけないエントリはなかなか勝てません。言い換えれば、エントリのタイミングが成否の鍵を握ります。誰しも、どうすればベストのタイミングでエントリできるかを知りたいはずです。では、そうすればいいのでしょうか?

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サイクルはホットスポットを見つける方法

単純化すれば「時間」の周期性を利用すればいいのです。一見ランダムに動いているように見える相場ですが、詳しく追跡すると一定の周期性をもって波打っていることがわかります。周期性と波動。これが相場を支配する「時間」で、クリモネはサイクルと呼んでいます。

むずかしく考えることはありません。相場は、安値ー高値ー次の安値ー次の高値ー・・・の連なりです。漠然と眺めていれば単なる上下動でも、ある安値に注目し、その安値ー高値ー次の安値をひとかたまりと捉えるとサイクルと見なせます。相場を「安値ー高値ー次の安値」のサイクルで区切ることで相場の見え方が変わり、安値または高値で精度の高いエントリを行えるようになります。理屈は非常に単純です。

  • 安値の次には必ず高値が来る。これほど確実なことはない。それ以上下げない安値付近でロングポジションを建てれば確実に勝てる。
  • 高値の次には必ず安値が来り。これも確実。それ以上上がらない高値でショートポジションを建てれば確実に勝てる。

トレーダーの仕事の大半は「それ以上下げない安値」「それ以上上がらない高値」、つまりホットスポットをどう見つけるかだけと言ってもいいくらいです。このロング向け、ショート向け、2つのホットスポットを相場の「時間」面に注目して探り当てようというのが、サイクル追跡によるトレードなのです。

「価格」と「時間」

ここでいう「時間」とは価格差を生む相場の波動のこと。自然界の波と同じく、相場にも一定のリズムがあります。多くのトレーダーが勝てないのは、相場のリズムを無視して「価格」のみでエントリするからです(いわゆる値ごろ感)。こうした「何となくエントリ」では、あるときは勝てても別のときは負け、成績が安定しません。エントリ後、価格が思惑と逆行して含み損となり、含み損の解消に労力を使うようになると、精神的にも財政的にも負荷が増します。これはストレスが昂じるだけでなく、機会損失にもつながります。機会損失は「最適なエントリタイミングを逃す」ことであり、獲得できたはずの利益を取り逃すことを意味し、表面化しない含み損と同じなのです。

本記事の眼目はこうした無手勝流の何となくトレードの罠を抜け出し、サイクルを利用して適切な「タイミング」に適切な「価格」でポジションを建てるノウハウを伝授することにあります。方法がわかったら、あとは実地訓練です。実トレードで利益を出し、勝ちグセをつけ、いちいち考えなくても身体が瞬時に「そのとき」に反応する動物勘の次元まで高めてください。サイクルトレードにおいて最後にものを言うのは、経験と習熟の成果としての「動物勘」です。動物勘でひらめくと、勘に即応して「考えるより先にエントリする俊敏さ」を身につけることができます。そうなれば常勝トレーダーになれば。

トレードは「価格」と「時間」のゲーム。相場の波動に乗ることが先決。頭と尻尾を当てることはあまり重要でない。毎回、波の一部でも「確実に」獲れれば常勝トレーダーになれる。

 

(中略)

エントリ精度の重要性

分単位を収益源することも可能なら、日単位、週単位、月単位を収益源とすることも可能ですが、重要なのはマクロの日単位、週単位、月単位で値幅を獲ろうと考えていても、ミクロの局面であるエントリをいい加減に行わないこと。マクロ次元の収益は最初から狙って穫れるものではありません。むしろミクロ局面でのエントリ精度を高めることで、ポジションをマクロ次元に持ち越す確率を上げていくしかないのです。

含み損を何日も抱えて過ごすことはメンタルのストレスが高まるだけでなく、含み損がなければ実行できたであろう他のトレードをしにくくします。つまり、エントリを疎かにすると機会損失が増え、いつまで経っても取ったり取られたりを繰り返す悪循環に陥るわけです。

クリモネのトレードスタンスは明確です。自分をスキャルパーとかデイトレーダーとかスイングトレーダーとか規定しません。スキャルピングで利益を積み上げるのが基本線。うまくいったスキャポジは必ずスイングポジに発展します。