[特別コラム] Another Brick in the Wall:ファンダ無視のブル相場

独自コラム, 相場考

ツイッターのプロフィールに掲げた謎(?)のフレーズ “All in all it’s just another brick in the wall.”。その唐突な出現を、けげんに思われた方も多いのではないでしょうかw

これはピンクフロイドの有名な曲(Another Brick in the Wall)のリフレインから取りました。しかしあえて意味をずらして使っています。それってどういうことかを「解説」するのが今回の記事です。

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通常の解釈

原曲では次のように歌われます。

We don’t need no education
We don’t need no thought control
No dark sarcasm in the classroom
Teachers leave them kids alone
Hey! Teachers! Leave them kids alone
All in all it’s just another brick in the wall
All in all you’re just another brick in the wall

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オーウェル『1984』的な世界観に満たされたこの曲は、一義的には、全体主義的な統制教育へのプロテストソングです。

上の歌詞の大意は、

教育も思想統制も教室の陰湿な言葉攻めも要らない。
先生、子どもたちをほっとけよ。なあ先生、子どもたちをいらうなよ。
何だかんだいっても、要は壁を埋める一塊のレンガに過ぎない。お前らは結局その壁レンガのひとかけだよ。

という感じ。

ここで注意してほしいのは、”All in all it’s just another brick in the wall. All in all you’re just another brick in the wall.” における文の主語 itとyouです。itは何を指し、youは誰を指すのか?

壁とレンガ

itは教育、思想統制、陰湿な言葉攻めなど教師たちの行為を指すのでしょう。そしてyouは明らかに教師たちのこと。つまり、このリフレインは、「権力」の意思(統制教育)も手段(教師)も同じ「壁」を構成する部品(レンガ)に過ぎないと言っていることになります。

壁を構成しない者

ミソは、このリフレインが子どもたちではなく、権力側の意思や手段をレンガになぞらえている点にあります。権力の手先の側が「組織の歯車」(a cog in the machine)なのであって、けっして子どもたちではないのです。子どもたちは「壁」に属さない者の象徴であって、そこに「希望」がこめられているのです。

ブログ主の見立て:ファンダネタはレンガの一片

相場の世界では、この定義にあるように、”Stock markets climb the wall of worry.” と言えば、「否定的な不確定要因に直面しながら、強気のマーケット・トレンドが起きていること」を指します。いまの相場の動きそのものです。

ツイッタープロフィールでは、”All in all it’s just another brick in the wall.” の「壁」を、このwall of worryの「壁」に見立てているのですが、では、”another brick” は何に見立てているのでしょうか?

いわゆるファンダメンタルズに関わるニュースや材料のひとつひとつです。米中貿易戦争、北朝鮮問題、イラン問題、ブレクジット問題、トランプ大統領弾劾、ウクライナ疑惑、台風19号被害、消費税増税、等々・・・これらのひとつひとつが “another brick in the wall” です。相場は、この懐疑や心配事で埋め尽くされた壁をよじ登っていっているのです。

いわば、過去のこのツイートにつぶやいた相場認識を展開したものなんです。

行くところまで行くつもりの金融カルテルは庶民への還元さえ目論む?

その「懐疑の壁」をよじ登るエネルギーはどこから来るのか?「壁」の先に何か大きなものを見据えているとしか言いようがありません。

いまはそれが何だかわからなくても、トレーダーとしてはようやく動き始めた相場のトレンドに素直に乗るしかないと思うのです。