[海外記事] 経済的に自由な国ほどビットコインを規制しない件

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出典記事

仮想通貨と経済自由度の関係

 

経済自由度と1人当たりGDPは比例する

There have been many studies on economic freedom around the world. Economic freedom clearly correlates with a high GDP per capita. Countries that have banned or over-regulated bitcoin are low on the economic freedom ranking and also have a low GDP per capita. These unfree regimes play a part in creating poverty for their people.

経済的自由については世界中で盛んに研究されてきたが、一人当たりGDPと相関度が高いことがわかっている。つまり、経済自由度が低く、1人当たりGDPが小さい国ほど、ビットコインを禁止または過剰規制する傾向にある。自由度の低さが貧困の一因なのである。

経済自由度国際ランキング

According to the 2017 Heritage Foundation’s Index of Economic Freedom, the following 5 countries were the most economically free:

  1. Hong Kong
  2. Singapore
  3. New Zealand
  4. Switzerland
  5. Australia

Heritage uses the following 4 categories to assess economic freedom:

  1. Rule of Law (property rights, government integrity, judicial effectiveness)
  2. Government Size (government spending, tax burden, fiscal health)
  3. Regulatory Efficiency (business freedom, labor freedom, monetary freedom)
  4. Open Markets (trade freedom, investment freedom, financial freedom)

Using the World Banks 2016 numbers, let’s look at GDP per capita for the 5 most economically free societies:

  1. Hong Kong $43,681
  2. Singapore $52,961
  3. New Zealand $39,427
  4. Switzerland $78,813
  5. Australia. $49,929

Cleary, having economic freedom correlates with people being well off. The more economically free a country is, the better off the people are. Economic growth and increases in GDP per capita lead to longer lives, more choice, less pollution, smaller families and new technological breakthroughs. Countries becoming richer can effectively save the planet.

2017年ヘリテージ財団の経済自由度指数によれば、最も経済的に自由なのは次の5カ国である。

  1. 香港
  2. シンガポール
  3. ニュージーランド
  4. スイス
  5. オーストラリア

ヘリテージ財団が使用した経済的自由度の評価パラメーターは次の4点。

  1. 法の支配(財産権、政府の完全性、司法の有効性)
  2. 政府規模(政府支出、税負担、財政健全性)
  3. 規制の効果(ビジネスの自由度、労働の自由度、通貨の自由度)
  4. 市場の開放性(貿易の自由、投資の自由、財政の自由)

世銀公表の2016年の数字を使って、上記5カ国の1人当たりGDPを見てみよう。

  1. 香港 $43,681
  2. シンガポール $52,961
  3. ニュージーランド $39,427
  4. スイス $78,813
  5. オーストラリア $49,929

明らかに経済的自由度のある国の住民は暮らし向きがいい。経済が成長し1人当たりGDPが増えると、寿命が伸び、社会的選択肢が増え、汚染が減り、家族が小さくなり、画期的テクノロジーが生まれやすい。国がお金持ちになれば、地球環境にもやさしいのである。

ビットコイン規制国

According to Wikipedia, the following 5 countries have banned Bitcoin:

  1. Morocco
  2. Bolivia
  3. Ecuador
  4. Kyrgyzstan
  5. Bangladesh

Now let’s see how the banned countries are ranked on the Heritage Economic Freedom Index :

  1. Morocco 86
  2. Bolivia 168
  3. Ecuador 160
  4. Kyrgyzstan 89
  5. Bangladesh 128

Morocco and Kyrgyzstan are considered moderately free by the Heritage Foundation. Bangladesh is considered mostly repressed and Bolivia and Ecuador are considered repressed. The countries that have banned bitcoin are clearly not economically free.

Now we can look at the banned bitcoin countries’ GDP per capita. Once again, data is from the World Bank and is in US dollars:

  1. Morocco $2,832
  2. Bolivia $3,105
  3. Ecuador $5,969
  4. Kyrgyzstan $1,077
  5. Bangladesh $1,359

Cleary, these economically repressed countries are very poor.

ウィキペディアによると、以下の5カ国がビットコインを禁止している。

  1. モロッコ
  2. ボリビア
  3. エクアドル
  4. キルギス
  5. バングラデシュ

これらの国はヘリテージの経済自由指数ランキングでどの辺につけているだろう?

  1. モロッコ 86位
  2. ボリビア 168位
  3. エクアドル 160位
  4. キルギスタン 89位
  5. バングラデシュ 128位

モロッコとキルギスはヘリテージ財団によって中程度に自由なグループと考えられているが、バングラデシュは下から二番目の抑圧的なグループに、ボリビアとエクアドルに至っては最も抑圧的なグループにランキングされている。経済自由度のない国がビットコインを禁止している実情がわかるだろう。

では、これらビットコイン規制国の1人当たりGDPはどうか?再度、世銀のデータで確認しよう。

  1. モロッコ $2,832
  2. ボリビア $3,105
  3. エクアドル $5,969
  4. キルギスタン $1,077
  5. バングラデシュ $1,359

やはり経済自由度の低い国は貧困にあえいでいるようだ。

経済自由度が高く裕福な国はビットコインを受容している

日本の場合

Japan has declared bitcoin legal tender. This move seems to have led to an increase in their GDP.

日本は、ビットコインを法定通貨と宣明した。この動きがGDPの増大に寄与した可能性がある。

この記述には問題があるので注意したい。俗称・仮想通貨法によれば、仮想通貨とは、

一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移することができるもの

と定義されている。

ビットコインなどの仮想通貨は支払手段の一つと認められているが、法定通貨ではない

貨幣は支払い手段以外に価値尺度と価値保全の機能をもたなければ貨幣と見なされない。貨幣が法定通貨であるためには、納税に使用できなければならない。いずれの条件も満たさない仮想通貨は、税法上、金融資産として扱われる。(給与所得などではなく)雑所得として課税される(日本円で納付する義務がある)。

中国での動向

China’s largest cryptocurrency exchange just signed a deal to relocate to Japan and South Korea.

中国最大の仮想通貨取引所が、先日、日本と韓国へ移転する契約を締結したばかりである。

スイスの場合

Switzerland has created a cryptocurrency incubator at Zug. Crypto Valley is a government supported association that aims to be at the forefront of blockchain and cryptographic technologies.

These countries are not afraid of economic freedom. These countries are also very rich.

スイスはツーク市に仮想通貨インキュベーター「クリプトバレー・アソシエ―ション」を設立した。この組織はブロックチェーンと暗号技術の最前線を走るべく政府が出資したコンソーシアム。

以上の国は経済的自由を恐れない国であり、いずれも裕福である。

クリプトバレー
スイスのツーク州自治体は、ブロックチェーン技術開発の世界的ハブとなるべく州あげて仮想通貨エコシステムの構築を目指している。クリプトバレー・アソシエーションはその中心となるコンソーシアム。昔から「金融」「機密」といえばスイス。イーサリアムの故郷でもある。要するにフィンテクの先端部はここに集結しているということか。

ビットコインは消費者と生産者への分配を増やす

The more economically free a country is, the richer it is. Only backward, repressive regimes are banning bitcoin. These unfree regimes play a part in creating poverty for their people. Freedom and prosperity go hand in hand.

Smart governments will continue to support blockchain and cryptocurrencies. Cryptocurrencies will continue to create more efficient markets; markets with the most consumer and producer surplus. Only the repressive are over-regulating and banning bitcoin. What is your government doing?

経済自由度と繁栄は比例する。抑圧に走った政府だけがビットコインの規制に向かう。抑圧的に動くことで自国民を貧しくしているのである。自由と繁栄は両立する。

スマート政府は今後もブロックチェーンと仮想通貨を支持するだろう。仮想通貨は市場をさらに効率化し、消費者と生産者に最大の恩恵を与えるだろう。ビットコインを弾圧し禁じるのは抑圧的な国だけである。あなたの政府は大丈夫だろうか?

まとめ

経済自由度が高い国、1人当たりGDPが高い国ほど仮想通貨にやさしい(=規制がゆるい)という一般論は、確かにデータ的裏付けをもっているようだ。

ただ、仮想通貨はまだ通常の決済に使用されておらず、「仮想通貨容認=GDP増大」の等式は実証されていない。富裕国における本格的な法対応(規制、整備)はむしろこれからだろう。

スイスのツーク「クリプトバレー」の動向は今後も要注目。「仮想通貨容認=GDP増大」の等式が成り立つとしたら、ブロックチェーンを金融界のみならず産業界で実装していく必要がある。「クリプトバレー」の目指すエコシステムは、ブロックチェーンベースの実経済圏(収益構造)なくして成り立たない。

ちなみに経済自由度ランキングにおいて日本は40位である。アメリカは17位。