簡単!テクニカル講座
当サイトの記事やツイートで多用する略語の意味や、簡単なトレードのノウハウ(自己流)を解説します。
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もくじ
- 1. 基本方針
- 2. 移動平均線:MA、HMA、DMA
- 3. ボリンジャーバンド:BB、ボリンジャー
- 4. RSI
- 5. マクラレン・オシレーター(stockcharts.comでのティッカーシンボル:$NYMO)
- 6. フィボナッチ、フィボ、半値戻し(半値押し)、1/3戻し(1/3押し)、2/3戻し(2/3押し)
- 7. トレンドライン:TL
- 8. チャンネルとレンジ
- 9. フォーリングウェッジ、ライジングウェッジ
- 10. トライアングル
- 11. ダブル(トリプル)トップとダブル(トリプル)ボトム
- 12. 三尊、逆三尊
- 13. チャートサンプル1:チャンネルの解説
- 14. チャートサンプル2:TL、BB、フィボナッチなどの解説
- 15. 出来高とバイクラ、セリクラ
- 16. チャートサンプル3:MA、BB、ダイバージェンス
- 17. タイムフレーム再説
- 18. 相場サイクルの型
- 19. ストップ、ストップロス、ストップ狩り
- 20. チャートサンプル4と5:パラボリックフェーズ
基本方針
テクニカル分析といってもシンプルを心がけて、基本的に移動平均線、ボリンジャーバンド、RSI(またはMACD)の3指標だけを見ています。経験的にインジケーターを増やせば増やすだけ、判断がしづらくなるからです。
3つをベースに、チャートが作り出すさまざまなパターンを見ながら売り買いを行います。パターンとは以下のようなもの。
- RSIと価格がつくりだすダイバージェンス(ネガティブとポジティブの2種類、ツイートやチャート上ではDivと表記)
- フィボナッチリトレースメント(ツイートやチャート上ではフィボと表記)
- ボリンジャーバンドの収縮や拡張(ツイートやチャートではBBと表記)
- トレンド反転のシグナルとして三尊・逆三尊(ヘッド&ショルダー、インバースヘッド&ショルダー)
- ウェッジ(フォーリングとライジングの2種類)
- トレンド継続のシグナルとしてトライアングル(アセンディング、ディセンディング、シンメトリカルの3種類)
- トレンド反転のシグナルとしてダブルボトムとダブルトップ
- ギャップ(窓とも言います。ギャップを埋める動きを「窓埋め」と呼びます)
- これらについては後続のセクションで解説します。
トレードの時間軸
以前はスイングトレード(数週間から数か月単位の取引、基本は放置)が中心でした。しかし近年アルゴリズムによる自動取引(俗言うアルゴ)が急増してからは、相場が安定したトレンドを示さない傾向が強まりました(一定の範囲を上下するだけのレンジ相場が増えました)。
- そのため、デイトレ(1日のうちで完結、数分~数時間)や短期トレード(長くて数日間で完結)に中心を移しました。トレーダーは相場の動きに逆らわず売り買いするのが基本ですから、その時々の相場の状況に応じて臨機応変に対応することを心がけています。
- また、中長期の予測シナリオは立てますが固執はしません。相場は宗教やイデオロギーではありません。正しい間違っているは二の次で、つねに目の前にある実際の相場に対処することが肝要です。
先物の建玉とストップ
- 売り買いしているのは日経先物ミニの3、6、9、12限月のいずれかです(他の限月はやりません。オプションもやりません)。
- 成り行き注文中心です。利益確定などのために指値注文することもあります。
- 建玉数(枚数)は一概に言えませんが、自分の自信度を100とするなら150~200くらい建てるようにしています。自信度より過剰な部分は、うまくいけば50円程度の儲けで利益確定し、ストップを買値(売値)同値に修正して「負けない状態」をつくり出し、気持ちを楽にするとともに、残ポジションをなるべく長く保持することを狙います(利を伸ばすため)。たとえば、5枚くらいの自信しかないときは8、10、12枚など(分割しやすいように偶数枚)。
- 初回の注文はつねに打診的な意味合いで出します。自分が間違っていることを前提に、そのまま利が乗ればラッキーというスタンスです。
- そのため、売り買いの注文と同時に、原則、買値(売値)の20~30円下(上)にストップ注文を出します。これは売り買いのタイミングが適切だったか、価格が適切だったかを評価するためです。もし間違っていれば潔く損切りし、すぐ態勢を立て直すことを心がけます。
- 一度ストップにかかった相場でも、その次に同じ方向に建て玉すると勝つ確率が高まります。そのため、あえて初回より枚数を増やすことも多々あります。
- ストップは命綱。ストップはその重要性をいくら強調してもし足りないくらい大事なディフェンス手段です。とにかく相場の一瞬先は闇。自分の身を護るためには損切りをすんなりできるクセ、売り買い注文と同時にストップ注文を出すクセをつけるしかありません。
- 以上のスタイルを通しているのはなぜかと言えば、ストップをおろそかにして大金を失った苦い経験があるからです。相場では儲けること以上に、いかに損を減らすかが大事なことを学びました。
- レバレッジが大きな先物は、うまく行くとスルスル利益が伸びて短時間で大きなお金が儲かります。しかし人間うまくいって有頂天になったときこそポジションを落とす(清算す)べきタイミングなのです。
- ブログ主の場合、まずは「余分だなと思っている分」のポジションで小さな利益を取ることでまず「負けない状態」を確保します。急騰・急落のトレンドが発生しているときは例外ですが、津城の相場なら初回の利益目標は50円程度に置いています。とにかく自分を楽にすることに集中するのです。その上で残りを放置するようにすれば楽な精神状態で利益を伸ばすことができます。
移動平均線:MA、HMA、DMA
MAはMoving Average、単純移動平均線のこと。
- 1時間足の場合(HMA: Hourly MA)は、MAを50、100(または120)、200の3本に設定。
50HMAはとくに重要(これはアメリカ市場で学んだ。日経も外人が6割以上を占める市場なので有効)。 - 15分足と4時間足も50、100、200を使うが、HMAではなく、50本線、100本線、200本線と呼ぶ。
- 日足の場合(DMA: Daily MA)は、MAを25、50、200の3本に設定(補助的に5日線も参照)。
アメリカでは50DMA、日本では25DMAがとくに重要(これは経験則)。 - 中期分析の場合(WMA: Weely MA)は、MAを26、50、200の3本に設定。
26WMAはとくに数か月単位の動向を左右するので重要。 - 長期分析の場合(MMA: Monthly MA)は、MAを13、26、50の3本に設定。
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移動平均線の見方
- 移動平均線は向きと相互の位置関係が重要です。
向き(上向き、横ばい、上向き)
例えば、価格が下から50HMAを超えても、50HMAが下向きのうちはサポートにならない可能性が高いです。価格が50HMAより上に滞留することで50HMAが上を向き、サポートになっていきます(つまり上昇トレンド)。
逆に、数時間たっても50HMAが上向きにならない場合はトレンドが転換していない可能性が高いのです(ヨコヨコ推移、レンジ相場など)。相互の位置関係
上昇トレンドであれば、上から50、100、200という風に単位の小さいものが上に位置するはず。この位置関係が乱れているときは安定したトレンドではありません。
また、MA同士が交わるときも注意です。例えば、50が100より下へ行ったり、200より下へ下へ行ったりすると、上昇トレンドは終わった可能性が高くなります(デッドクロスと呼ぶ)。逆に、50が下から100を突き抜けた場合、上昇トレンドへ転じる可能性が出てきます(ゴールデンクロスと呼ぶ)。
どちらの場合も、つねにMAの向きに注意が必要です。デッドクロスしても、100や200が上向きであれば、まだ下落トレンド入りとはいえないかもしれません(→下落の終わりに近いのかもしれません)。逆にゴールデンクロスしても、100や200が下向きのままなら、上昇トレンドに転じたとは言えません(→上昇が終わりつつあるのかもしれません)。
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ボリンジャーバンド:BB、ボリンジャー
(2018.3.31改稿)ボリンジャーバンド(bollinger bands、BB)は、基準とする移動平均線からの標準偏差を数段階とり、移動平均線の上下に表示したもの。通常、-α2、-α1、移動平均線(仲値、ミッドBB)、α1、α2の計5本の線がバンドを構成します(ブログ主の場合はこれにオーバーシュートを加味して、±α3を加えます)。価格が±α2の範囲内に収まる確率は95%以上あり、±α3となれば99%となるので、価格のブレ幅を統計的に測れるのです(相場が±α3などの低い確率を実現しているときは、その時点のトレンドが終わりつつあることを強く示唆しています)。
しかし、これをスタティックな数字として逆張り指標として使い、機械的にα3に到達したらショートするとか、逆に-α3に到達したらロングするとかやっているとトレードでは使いものにならない。BBはそれ単独で逆張り用の指標ではなく、むしろ相場のトレンド(勢い)を見る指標なのです。
基本的にBBは収縮する(ピンチ)か、拡散する(エクスパンド)かの2つしかありません。収縮とは何らかのトレンドが収束し平時に戻っている状態(→ミッドBBに近づいている状態)、拡散とは何らかのトレンドが発生している状態です。トレンドにも強弱があり、強力なトレンド、熱狂的なトレンドが発生すると、BBの上限(または下限)をはみ出して(または、はみ出さんばかりに)駆け上がる(または駆け降りる)ケースがあります。この状態をバンドライド(またはバンドウォーク)と言い、バンドライドに乗れれば、短期に大きな利益を得られます。
具体例で見た方がわかりやすいので、下のチャートを参照してください。
- ※クリックすれば別ウィンドウ表示。
ミッドBB、仲値
ブログやツイートでミッドBBとか仲値といっているのは、いずれもボリンジャーバンド中央の基準線となる移動平均線のこと。通常の設定では、日足なら20DMA、1時間足なら20HMA、4時間足なら20本線のこと。ブログ主の場合はミッドBBに25を使用しています。
RSI
RSIは買い(上昇)と売り(下落)の力関係を表す指標。これも一般的には逆張り指標として解説されていますが、BB同様、本当はトレンドの状態を見極める指標だと考えています。ですからトレーダーにとってRSIの絶対値は必ずしも重要ではありません。
RSIが70%や80%に届いたら「買われ過ぎ」とか、逆に-70%や-80%になったら「売られ過ぎ」と言いますが、トレーダーにとって大事なのは、その「過ぎ」の状態が一過性なのか、一定期間持続するのかを見極めることです。「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」が発生したこと(=絶対値)が重要なのでなく、それが継続するかどうかが重要なのです。
ブログ主は多くの場合、以下に説明するダイバージェンスとの絡みでRSIを利用しています。
ダイバージェンス:NegDiv、PosDiv
NegDivはNegative Divergence(ネガティブダイバージェンス)、PosDivはPositive Divergence(ポジティブダイバージェンス)のこと。
A時点とB時点の価格とRSIの傾きを比較してみましょう(チャート参照)。
- 価格はB>Aで上がっているのにRSIがB<AでA時点より上に行っていない場合、NegDivと言います。これは価格上昇に買いのパワーが見合っていないので、現価格以上に買われる可能性が低い(=価格が下落に転じやすい)ことを示唆します。トレーダーなら売り目線で売りポイントを探るべき(もし買いで入っているなら手仕舞いを考えるべき)。
- 逆に価格がB<Aで下がっているのにRSIはB>AでA時点より下に行っていない場合、PosDivと言います。これは価格は下落しつつも売りのパワーが衰えてきているので、現価格以上に売られる可能性が低い(=価格が上昇に転じやすい)ことを示唆する。トレーダーなら買い目線で買いポイントを探るべき(もし売りで入っているなら手仕舞いを考えるべき)。
※チャートクリックで別ウインドウ表示
マクラレン・オシレーター(stockcharts.comでのティッカーシンボル:$NYMO)
(2018.2.9追加)ダイバージェンスということでは、マクレラン・オシレーターも反転の先行指標として利用できます。計算式は以下の通りです。
騰落銘柄数=(値上がり銘柄数)-(値下がり銘柄数)
マクラレン・オシレーター=(騰落銘柄数のX日指数移動平均)-(騰落銘柄数のY日指数移動平均)
X=19、Y=39の設定が一般的マクラレン・オシレーターは騰落銘柄数の短期移動平均と長期移動平均の比率。直近で下がる銘柄数の方が増えていれば下落トレンド(逆なら上昇トレンド)。絶対値を見るより、ダイバージェンスからトレンドの反転を先取りする使い方が有効です。というか、ブログ主はその方法でしか使ったことがありません。参考チャートはこちらからどうぞ。
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フィボナッチ、フィボ、半値戻し(半値押し)、1/3戻し(1/3押し)、2/3戻し(2/3押し)
フィボナッチリトレースメント(fibonacci retracement)のこと。
0→0.236→0.381→0.5→0.618→0.76→1が重要な数値(リトレース率)です。例えば、2017年12月末のビットコインキャッシュの急落時には、4100ドルから1650ドルまで下落しました。このときフィボは4100が1、1650が0となります。
トレンドライン:TL
トレンドラインのこと。単純ながら、最強のインジケーターと言えるかもしれません。なお、上昇TLは上昇トレンドラインの略記、下降TLは下降トレンドラインの略記です。
相場には上げ、下げ、凪(ヨコヨコもしくはレンジ相場)の3つの状態しかありません。野球の試合と同じ。大方はゼロ行進。点が入るイニングも1~3点くらいが圧倒的で大量点が入るのは稀。
トレンドは大事です。儲かるのは、時間的に全体の2割程度しかないトレンドのある局面だからです。トレンドのないとき、はっきりしないときはトレードを避けるか、少ない利益をとる短期トレードを心がけましょう。でもトレードはクセ(中毒)になるのでご用心!手数料(コスト)だってバカになりません。
チャンネルとレンジ
上昇TLまたは下降TLが2本ほぼ平行に引けるときチャンネルを形成していると言います(上昇時のチャンネルを上昇チャンネル、下落時のチャンネルを下降チャンネルと呼びます)。価格はこれらに挟まれた領域を上下しますが、いつかどちらかの方向へ逸脱していきます。
トレンドがなく上下同じような価格で行ったり来たりしている場合、相場はトレンドレス(ヨコヨコ)になります。トレンドレスの場合、チャンネルとはいわず、レンジとか範囲とか呼びます(いわば傾きのない水平なチャンネル)。
ブルフラグとベアフラグ
チャンネルはトレンド転換を見極める際に利用できます。
- 下降チャンネルはブルフラグとも呼ばれ、買いサインとなります。下降チャンネル内を下落し続けた価格はいつしか、上のTLで跳ね返されず、上方向へブレークします。このブレークのタイミングで買いエントリー(ロング)すれば儲け可能性は高いです。
- 上昇チャンネルはベアフラグとも呼ばれ、売りサインになります。上昇し続けた価格が上昇チャンネルの下のTLで反発せず、そのまま下へブレークした場合、その時点で売りエントリー(ショート)するのです。
フォーリングウェッジ、ライジングウェッジ
(2018.2.1追加)ウェッジはくさびの意味。上へ(または下へ)先がすぼまっていくチャート形状で、トレンドの継続か反転を見極めるための手段。確率的には反転する場合の方が多いと言われています。
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トライアングル
(2016.4.21追加)最近の相場からは適切なサンプルが採取できないので他人様のサイトからチャートを借りてきました(チャート出典:stockcharts.comのChart Schoolセクション)。
トライアングルとは日本でいう三角持ち合いのことです。アセンディング・トライアングル(ascending triangle)、ディセンディング・トライアングル(descending triangle)、シンメトリカル・トライアングル(symmetrical triangle)の3パターンがあります。
アセンディング・トライアングル
三角保ち合いのうち、下値が切り上がっている(ascending)状態を指します。これは強気のシグナルで、レジスタンスの上ブレークを狙います。上ブレーク後、ブレークしたレジスタンス(赤線)をテストし(いったん赤線の水準まで下落し)、赤線をサポートに変えることが多いのです。
ディセンディング・トライアングル
三角保ち合いのうち、下値が切り下がっている(descending)状態を指します。弱きのシグナルで、サポートの下ブレークを狙う。ブレーク後、ブレークしたサポートをテストするも(水平な青線の水準まで上昇するも)、水平の青線がレジスタンスに変わることが多いのです。
シンメトリカル・トライアングル
三角保ち合いのうち、下値支持線と上値抵抗線が上下対称になっている(symmetrical)状態を指します。これだけでは強気とも弱気とも判定がつきませんが、トライアングル形成前の数週間(数か月)のトレンドに従ってブレークする可能性が高いと言われています(下図の場合は数か月前のトレンドが上昇だった)。5.8とあるのはトライアングルの高さ分、ブレーク後に上昇が期待できるということ。
レクタングル
シンメトリカル・トライアングルが横に押し潰されて、レンジ内を横ばい推移した後、レクタングルと呼びます。レクタングルも、レクタングル形成前の数週間(数か月)のトレンドと同じ方向へブレークする可能性が高いインジケーターです。
ダブル(トリプル)トップとダブル(トリプル)ボトム
レクタングルに似た形状は相場の天井圏や底値圏で現れることも珍しくありません。天井圏ならダブルトップ、トリプルトップ、底値圏ならダブルボトム、トリプルボトムなどと呼びます。
- これらのトップやボトムは相場のトレンド継続ではなくトレンド反転(リバーサル)のシグナルなので注意してください。
2019年夏、日経のトリプルボトムの例
- 20000円水準で3点底(トリプルボトム)を形成しトレンドは反転、9月の急騰につながっています。売り圧力は強かったのですが、20000円での買いに阻まれ底抜けできませんでした。三度試して抜けなかったということは、反対勢力が優勢になっていく兆候です。今後も20000円は硬い岩盤のような強いサポートになった可能性が高いでしょう。
- ※チャートクリックで別ウィンドウに拡大表示。
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三尊、逆三尊
トレンド転換を見極めるためのチャートパターン。価格上昇時の高値圏で出現する場合を三尊(英語ではHead and Shoulder、HS)、価格下落時の底値圏で出現する場合を逆三尊(英語ではInverted Head and Shoulder、IHS)と言います。価格のピークを、三体ワンセットの三尊仏像の頭に見立てた表現なんですね。
具体的には次のチャート内に書いた説明を参照してください。
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チャートサンプル1:チャンネルの解説
チャンネルに関して、2018.1.18時点のXRP 4時間足のチャートサンプルを示します。
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チャートサンプル2:TL、BB、フィボナッチなどの解説
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出来高とバイクラ、セリクラ
相場は需給がすべて。価格を決めるのはつねに買い手と売り手の力関係だけです。
また相場は8割方たいして動きません。大きく動くのは何らかの理由でトレンドが発生しているとき。トレンドが発生すると、最後の買い手(または売り手)が来るまで買われ(または売られ)ます。
その場合、出来高を伴ってローソク足が上ヒゲ(または下ヒゲ)をつければ転換の合図。上昇時はバイクラ(buying climax)、下落時はセリクラ(selling climax)と呼びます。狼狽買い、狼狽売りとも。
ヒゲとはローソク足のボディ以外の線ですから、終値がヒゲの頂点から乖離していることを示しています。つまり、ヒゲの部分で買った(売った)人は(少なくてもそのローソク足が終わった時点では)置いていかれた、すなわち、含み損ポジションを抱えてしまった、という意味になります。将来、そのヒゲ近くまで価格が来たら、この人たちは一斉に売り(買い)圧力に転じるため、レジスタンスまたはサポートが形成されやすわけです。
チャートサンプル3:MA、BB、ダイバージェンス
リップルの1時間足を実例にテクニカルの意味について解説します。
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タイムフレーム再説
相場はどのローソク足をその時間幅で見るかによって見え方が変わります。
- 例えば、60分足ではまだ下げそうだけど、15分足では明らかに上昇に転じたように見えることがあります。この場合、トレーダーがどの時間足を主体にトレードしているかで対処は変わってきます。60分足主体のトレーダーはロングを控えるでしょうが、15分足主体のトレーダーはロングを敢行するかもしれません。相場はつねに上下しています。数か月、数週間などの単位で気長にトレードする人もあれば、一日で何度も手仕舞いする人もあります。要はトレーダーのスタイルの問題だ。トレーダーの気質や時間感覚はそれぞれ異なるからどれが正解ということはありません、自分に合ったタイムフレームを見つけるのが大事です。
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ブログ主のスタイル:60分足主体でトレード、他のタイムフレームは節目における補助的役割
- ふだんブログ主は一日~数週間のタイムスパンでトレードすることが多いので、60分足を主体に見ています。補助的に4時間足、日足、週足も確認します。また相場で節目と感じる場所(例えば急落時の安値圏)では、これに加えて15分足や5分足といった短い足を見ながら、ポジションをとる位置を決めます。年に数回しかない中長期(数か月以上)の節目では、日足、週足、月足の大状況判断が欠かせません。
相場の風に乗れてないと感じたらすぐ降りること
英米には「big picture、bigger pictureを忘れるな」というトレーダー界の格言(?)がある。これは目の前のfluctuation(小刻みな価格の上下)に囚われて、大きな流れ(トレンド)を無視したら結局負けるよという戒めです。
トレードは凧に例えるとわかりやすいかもしれません。追い風を受ければ簡単に高く上がれますが、逆風を受ければ容易に上がれません。風(トレンド)を読み違えたら無理して粘らず、さっさと逃げることです。含み損(塩漬け)ポジションは精神的によくないし、第一時間の無駄になります。待ち(いわゆる「見」)も立派なポジションだとわきまえましょう(そう言いつつ、ブログ主も半分トレードジャンキーになり、相当の手数料を貢いできた口ですが、最近はめっきり手数は減ったと思いますw)。
相場サイクルの型
上昇相場の場合、上げが長く下げが短いのが特徴(左に寄った三角形)。下落相場の場合はその逆になります(右に寄った三角形)。トレンドレスな場合は何とも言えません。より具体的なことは以下のチャートをご覧ください。
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ストップ、ストップロス、ストップ狩り
損切りは相場の命綱です。できればポジションを建てると同時に、ここまでと決めた値段に清算の指値をする習慣づけをおススメします。
例えば、1200円にサポートがあると思って1210で買ったポジションが、1180で含み損になったとします。この場合、1200より下のサポートを確認せずに買ったのだとしたら、風に逆らう行為になっているので直ちに損切りすべきです。
もうひとつ下のサポートが1100円だと思ってそこまでの下落を覚悟して(110円の損)買ったのであれば、ストップロスの指値は1100の少し下1070円くらいに置くといいでしょう。
どうしてかと言えば、相場は極端に傾き、ヒゲをつける場合が多いから、1100円という区切りの数字は狙われやすいのです。そうやって買いポジションを振るい落とし、いざ底をつけたときの反発力を強めるためです。こういう意地の悪い瞬間的な下げ(または上げ)をストップ狩りと呼びます。
当然、テクニカルは誰でも見ています。1100を割った瞬間に「すわ、サポート決壊!」とは決めつけない方がいいです。少なくても1時間足1本分くらいは状況を見極めてから判断しましょう。
チャートサンプル4と5:パラボリックフェーズ
相場の大きな区切りにしか見られない特異な暴騰(急騰)状態。放物線カーブの最終段階。垂直に近い、きつい勾配を駆け上がる上昇を言いいます(パラボリックムーヴとも)。相場の末期に出る “極度な買われ過ぎ” 現象、マニア現象(いわゆるバブル相場の特徴のひとつ)。
どうしてそうなるかといえば、乗り遅れた大量の素人投資家、にわか投資家が市場へ参入してくるためです。彼らには過熱感や割高感は無関係で、とにかく付和雷同して儲けたい思いが先立ちます。買いが買いを呼び、椅子取りゲームのような状態が数か月間続くこともあります。
- こうなると天井は予想外に高くなるもの。下手に逆張り(ショート)すると死ぬのでくれぐれも注意してください。
2017年末のビットコイン
近年、典型的なパラボリックムーブを見せ、世間を騒がせたのが仮想通貨でした。
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2018年1月末の米S&P500指数
(2018.4.21追記)現在は相場のその後の動きを見て、パラボリックフェースはあったとしても当面おあずけという判断に傾いていますが、ひとつの教材として掲載します。
※チャートクリックで別ウインドウ表示
カスケーディングフォール
逆に暴落の場合はカスケーディングフォール(三段滝のような垂直的な下落)と言います。恐怖から売りが売りを呼び、とんでもない水準まで下げ、超売られ過ぎ状態へ至る(セリングクライマックス)。2008年10月のリーマンショック時の暴落が典型的。でも滅多に起きません。当たり前ですが、人間は上げの方を好みます。