[緊急記事] 試されるポストリーマンの “官製” 相場:金融株指数の示唆する先

チャート分析, 米株チャート

後から振り返れば、コロナ禍は中国とアメリカの行方を左右する世界史的なイベントになるのかもしれません。アメリカは民主主義、中国は独裁主義。官製相場といえば、そのイメージは主に後者に紐付いているのですが、少なくともリーマンショック以降、いわゆる自由世界のアメリカ市場にも言葉の真の意味での free market は存在しません。

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ポストリーマン時代の官製相場

あるのは金融危機の再現阻止を至上命題とする政府ぐるみの株価維持政策。

いま人々が見ているのは、市場の期待を反映した “自然な” 価格調整が、彼らのよしとする “許容限度内” に管理される官製相場(government-managed markets)だけです。

QE(金融緩和)は為政者の抜く伝家の宝刀。中央銀行が “市場原理に基づくことなく” 株式や国債を買い入れるため、結果的に市場を歪めてしまうのですが、これまで10年以上「通用」してきました。さいわい投資に見合う背景、すなわちAI、自動化、バイオテクなど空前のイノベーション革命が背後に控えていたからです。

しかし、ここへ来て中国経済という不確定要因が突如市場を襲い(コロナはきっけに過ぎません)、QE相場の限度が試される展開になってきました。

中国式官製相場の限界

中国経済はいまも国営企業とそれに癒着した利権集団の取り仕切る専制的市場です。大企業や外資系企業と、実体経済に密着する中小零細企業は別世界の住人であって、自営業者の多い民間企業を対象とした信用組合や政府系金融機関による融資や財政支援の仕組みは事実上皆無なのです。コロナ感染拡大のような突発的事象に対応できるセーフティネットが事実存在しない等しいわけで、中国が「人治主義国家」と呼ばれる所以です。

中国の失速が、中国の進出先、あるいは中国へ進出した海外資本に及ぼす悪影響の、正確な規模や程度は誰にもわからず、そのことが株式の主体勢力である金融関係者の危機意識を一気に高めているのでしょう。

週足チャート:操作できない米金融株指数と操作できるSPXの比較

以上の株価操作を如実に反映しているのが以下の米金融株指数(BKX)とS&P500(SPX)の週足比較チャートです。

※チャートクリックで別ウィンドウに拡大表示。

SPX週足:QEは効くのか効かないのか

もしQEが効かず、相場の真実が株価に反映されるなら、SPXは200WMAを割り込む大調整に陥ることになります。その意味で3月18日以降、市場がどうQEに反応するかはとても重要です。

※チャートクリックで別ウィンドウに拡大表示。

長期を見据えればQE相場の終焉は歓迎材料

先ほども指摘しましたように、リーマン後のブル相場の背景には「QEを正当化する」だけの大きな投資機会、すなわち情報革命以上のインパクトをもたらすだろうAI、自動化、バイオテクなどのイノベーション革命があります。

長期資金の視点で見れば、今回の暴落は一時的な利確イベントに過ぎず、あたふたする必要はありません。多分に政治的、心理的な要因で下げが拡大してしまっている側面があるのです。

二択のアメリカ経済

いまアメリカ経済は瀬戸際まで追い詰められています。

  • コロナ禍を一時的な景気後退(マイルド・リセッション)で乗り切るのか。
  • 大きな投資背景としてイノベーション革命を持ちながらも、中国発の金融危機で調整を長期化させてしまうのか。

後者に陥らないためには、「すべてを中国のせいにする」政治が求められており、アメリカ国民が常識的に判断すればトランプを再選せざるをえないはずです。