[特別記事] VIXの示す調整パターン
みなさんご記憶かと思いますが、ほぼ一年前の10月初旬、日経は戻り高値24400円台を記録し、その後、年末まで5000円を超える大調整に見舞われました。実はいまVIXの推移が、その際にVIXが示したパターンに似てきています。気になったのでちょっと分析してみました。
VIX日足
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チャート内の説明と重複しますが、ご注意いただきたいポイントは2つあります。
ポイント1: 50DMAとの相関関係
赤の矢印を数カ所につけました。いずれも、50DMAを大きな陽線で超え、翌日終値ベースで50DMAを上回って引けている点が重要です(VIXの上昇トレンド入り=株式の下落トレンド入り)。これが起こると株式市場の調整が本格化する傾向は以前からたびたび観察されています。
今回もこのパターンになる可能性があるので月曜日(9月30日)のVIX終値には要注意です。
ポイント2: パターンの類似
水色の楕円部から緑の楕円部への流れが似通っています。もしこのパターンが踏襲されるなら、株式市場に、昨年同様の大きな調整が発生する可能性がぐんと高まります。
以上は、必ずしも株式が大調整するという予測ではありません。VIXにはこんな見方、使い方があるよという意味で書き留めてみました。
10月2日フォローアップ:その後のVIX
上の記事を書いた翌日、日経もアメリカも何事もなかったように戻りを演じ、VIXも下落して、ひとまず事なきを得た感じに見えました。
個人的にはこの上昇に違和感がありました。テクニカルとは違う視点になりますが、そもそもVIXの高騰は国慶節の連休を目前に控えた中国市場に関して「対中投資規制」ネタをぶつけたものです。だったら連休中の上海にダメージを与える下げを演じなければいけません。
そう思っていたら、昨晩、ISM製造業指数の悪化をきっかけに一気の売り浴びせが始まりました。アメリカ市場はその後もリバらしいリバもなく終日売られる「売りのトレンドデイ」を記録、VIXも再度急騰しました。
時間差攻撃?
つまり、一日の時間差で上述のパターンが実現したように見えるわけです。この場合、時間差攻撃した理由があるとすれば、ロングをなるべく多く誘い込み、彼らのストップを刈って売りに弾みをつける(いわゆる「燃料にする」)ためと考えられます。
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・・・ところが、です。
売り買いの攻防は未決着?
現時点では、この下落も信用ならない気がしています。確かにチャート上のかたちは類似しているのですが、売りに勢い(モメンタム)が感じられません。今晩のアメリカを見ないと何とも言えない部分もありますが・・・。
いずれにしろ、こういうパターンがあるということを頭の片隅に置いていただければ、売りが完全に優勢になった際、慌てずに済みます。
パターンの復習
- VIXは絶対値より、50DMAとの相対関係が重要。終値ベース(日足)で50DMAを2日連続上回ると要注意。株式市場の大きな調整につながりやすい。
- あえて絶対値を見るとすれば、18以上が注意シグナル。
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